20110330

たんじょうび

少し前に帰国しました。




本当に美しいものって、見てて心にあまりに突き刺さるから、
痛いんですよね。
桜の季節はまだでしょうか。
誕生日は3月末の今日です。
桜というよりも桃の花の時期に生まれました。
近所に桜並木があるんです。
それは小学校のとなりでした。
中学に入学した日は友達と帰り道、その桜道に行って、
自分たちの晴れの日の清々しい気分と
やっと少し大人に近づけた実感を祝福したものです。


大人になるって何なんでしょうね。
こんな風に言っている間は多分大人じゃないのは分かってます。
でも、成人式があり、職につき、次第に社会の一員として動き出して、
気づけば何も知らない無知な子供達の笑顔を見て
ハッと我に返るような、
何かをなくしたような気になる日が来るのでしょうか。

今回、地震が起こった時はイギリスにいました。
テレビで朝、ニュースを見た時は嘘だと思った。
私が小学校の頃から、30年以内に和歌山には
「東南海地震がくるよ」って言われ続けたもので。


情報錯綜の嵐と、残酷すぎる現実のせいで
しばらく実感がありませんでした。
実は、今でも地震の実感なんて何もないです。
地震にも遭ってない、停電にも遭ってない、
ただ帰国が延びただけでした。

でも、こういう大きな出来事ってそれこそ
イニシエーション的な役割を果たすと思う。
日本にとって大きな変わり目というよりは
一人一人を違う次元に引き上げるような
この出来事を経験した現在を生きる全世代は
1つの共同体を形成することになるのだと思う
この苦しみは、これから生まれてくる人とは
共有できないのだろうなと。

"何かを伝える"ことは常に、
共通の経験がある方が
伝達を容易にする。
それは言葉であり、感性であり、空気であり、
空間であり、時間である。







いまのわたしには何がみえてるのでしょうね。
輝く未来か、歪んだ過去か、頼りない現在か。

今日で、19年生きました。
色々な出会いと別れがあり、希望と夢があり。
誕生日って、複雑な気持ちになるから
あまり得意でないです。
でも、一日だけ魔法がかかったみたいに
みんなにこにこしてくれて、
おめでとうって言ってくれてメールとか
メッセージがたくさん来て。
とてもしあわせな日だということは知ってます。
1週間前、23日は親友の誕生日で、
Oxfordから手紙を送ったのですが、
私の誕生日の今日に着いたようです。
こんな不思議な偶然が、
たくさん重なった日でした。

みんなありがとう